大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)479 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人成富信夫、同川崎友夫及び同蝶野喜代松の上告理由各第一点について。

上告人の所論裏書が形式的のものであるとの主張について原審は之を、(一)手

形法上の裏書を為す意思なくして為したものであるとの主張と、(二)右意思があ

り裏書による手形上の権利移転、資格授与的効力ありとするも手形法が当事者の意

思に拘らず特に手形の流通助成のため裏書に認めた担保責任を免除する旨の特約を

結び之に基いて為したものであるから係争の裏書は担保的効力を有しないものであ

るとの主張とに分ち、先づ(一)の主張についてその事情等を詳細に認定して之を

否定し、次で(二)の主張につきそれが手形外の個人的実質的関係に基き特定の債

務者が特定の所持人に対してのみ対抗し得る所謂人的抗弁に該当する旨を明かにし

た上後段に於てその抗弁の実質的に採用し得ない旨を認定判断して居るものである

こと原判決の引用する第一審判決の行文上明かであつて、此の点につき所論判断遺

脱、理由不備乃至理由齟齬の違法はない。又、右点に関する原審の判断はその認定

する事実関係の下に於て相当であることを肯認し得られるのであり、論旨引用に係

る当裁判所昭和二五年二月一〇日判決の判旨に反するものでもない。

その余の論旨はすべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する

法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいずれにも該当せず

(なお原審の判断は論旨引用の大審院明治三八年三月一八日、明治三九年五月九日、

大正三年一二月一五日、大正六年九月六日、大正七年一〇月三日、大正八年一二月

一六日、昭和八年六月八日、昭和一七年五月一六日各判決、当裁判所昭和二八年一

二月三日判決の各判旨に反するものでなく、その余の各判決は本件に適切でない)、

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又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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